60.事件簿VOL:1レコード売却・買戻し事件

事件簿VOL:1 レコード、売却・買戻し事件




このHPを作成している今、昔のレコード(S.LP)2万5千枚以上を広島にある中古レコード店に売ってしまったことを後悔している。
その後、昔のアナログが欲しくなり神田の中古レコード店等で僕が売却した金額の数十倍の金額で(ジャケットだけが欲しいのに)買い戻している。
この僕の行動を、奥さん曰く「バカじゃない!」と。

この事件のきっかけは、シンコー・ミュージックから発売された「秘蔵シングル盤天国」邦楽編と洋楽編から。
「へェ~、自分が持っているレコードがこんなに高く売れるんだ!」と思った瞬間から。
本の中にレコードのプライス価格が表示されており、僕は、GSやフォーク系のレコードを大量に保有(メジャーよりマイナーなモノを)していた。

当時280円、330円等で購入したものが10万円以上で売れるんだ!!
LP盤はほぼ全部帯び付きで持っていたので内心喜んだ。
その頃はあまりレコードに執着心はなく、その本の中に広告が載っていた広島の(現在は中古レコード店の超有名会社になっている)お店に電話した。
店の責任者が電話にでて、僕の所有しているレコードの種類・ジャンルを聴き、次の日曜日に上京してきた。

枚数が多いので値決めをするまで数時間、その結果を聴いて愕く!
買取額が、10万円の盤が5枚あった。LPもビートルズの赤盤を1~3万円で引き取ってくれた。
当然、高額で買い取るということは、少なくてもその金額以上で販売できる目算があるのだろうけど。
最後にこの店の社長が心憎いことを言ってくれた。
「凄く状態が良いモノばかりです。僕としては是非買い取りたいと思います。でも、もう一度良く考えて下さい。お小遣いの中から買って、青春を共にした松○(僕の名前をつけて)さんの思い出のレコードです。手放すと二度と手に入らないモノですよ。後で後悔しても返ってきませんよ!」(後にこの言葉の意味がわかった)

鑑定が終わり、店の社長と雑談した時に、「愛奴」の浜田省吾と幼馴染で、僕が売り渡したシングル盤「二人の夏」とLP盤を見ながら彼との思い出を語ってくれた。有名になっても腰の低いいい奴なんだそうです。吉田拓郎のバック・バンドからまさかメジャーになるとは浜省も思っていなかったというのには僕もビックリしたが。浜省も、心優しい素敵なミュージシャンなのです。

残念ながら、加山雄三さんのレコードは数千円~数百円した値が付かなかった。
シングル盤とLP盤は完璧に揃っていた。がこの時全て手放した。
この時は、その数年後に、売却したのを後悔するとは思いもしなかった。

レコードは殆どカセット・テープに録音してあるし、本当に欲しいのはCDで購入してあるから手放した。
中古レーコド店の社長は、5万円以上で買い取ったレコード盤を大事そうに持ち帰った。

中には、うち店では要らないというものが数千枚あったが、それも只同然で引き取ってもらった。
数日後、その店から宅急便用のダンボール箱が大量に届き、広島の店へ送った。

結婚する前に僕のお金で買ったレコードなんだが、この売却費のお金は全部、奥さんにいってしまった。何故?

それから間もなくのこと、平成10年3月21日に堂ヶ島に「加山雄三のミュージアム」がオープンすることをインター・ネットで知り、オープン間もない3月27日に家族4名でいったのです。
ここで見たモノで、この時点で手放したレコード盤への後悔が始まった。(男らしくなく、何回も女々しく書いていますがご容赦の程)

ミュージアムの中は沢山のブースがあり、若大将シリーズの部屋の先に加山雄三のシングル・レコードやLP、CDのジャケットを飾ったブースがあった。
ここで僕は、釘付けになり暫く嬉しさのあまりその場から動けなくなった。 理由は、僕が全部保有していたものが壁いっぱい、これでもか~、俺が若大将だゾ!と、そのレコード・ジャケットたちが、時代を遡り語りかけてきたから。

ここから、始まる。加山雄三のレコード・ジャケット欲しいゾ!が。

無念を晴すように、ミュージアムで大量に若大将のグッツを買い込んだ。
その日の宿泊するホテルのフロントの女性から「ミュージアムに行かれたのですか、凄い量を買われたんですね」と笑われた。

僕の悪い性格がまたもや、ニョキニョキと頭を持ち上げてきた。あの瞬間から!

その晩、奥さんに宣言した。「決めたよ!」自分の部屋の壁にレコード・ジャケットを飾るゾ!」と。返ってきたのは「バカじゃない」だった。

東京に戻り、仕事が休みの日に思いを実現させるべく行動する。
土曜、日曜のほぼ毎週のように(2ヶ月近く)精力的に、片っ端から神田・新宿・中野の中古レコード店を訪ね歩いた。

目的は勿論、加山雄三のシングル盤。
初日は大量の収穫で、確か10枚をゲットした。だが、プライス金額にはビックリした。
僕が処分した時の加山雄三のシングル盤の最高額は1200円で、大多数は数百円、中には数十円だったと思う。
驚くことにレコード店のプライスは数千円級ばかり。しかも、目的のジャケットはコンディションの良いモノもあったが、中にはヨレヨレで、タバコのコゲやシミがあったり、更に書き込みがあったり。
しかし、欲しいというのが先に立ちそれら数千円級のレコードを、初日に10枚購入した。(後に、この衝動買いを後悔することになるのだが)

購入に当たって店主に交渉した。
「レコード盤は要らないのでジャケットだけ売って欲しい!」とか、「○○店では幾らだったから纏めて購入するので値引きを!」等。
僕は、レコードの盤は欲しくない。ジャケットだけが欲しい。
店も商売だから当然バラ売りはしません。当たり前です。冷静に考えれば。

ルンルン気分で自宅に持ち帰った加山雄三のレコードを、自分が自慢げに話をしたことから気まずい雰囲気になった。(後の格言として「購入額は秘密」にする、奥さんと云えども「隠しとおす」)

その購入額を自分が話したのが、全ての始まり。延々と女性二人(おふくろも参入)からお小言を頂戴。
その後、二人からやっと開放され、自分の部屋に戻り一人ニタニタとジャケットをかなり長い時間眺めて、家族に小言攻めにあった事はすっかり忘れ、翌日の中古レコード店巡りの場所を地図で確認した。

前日、中野・新宿を廻ったので神田にターゲットを絞りった。
神田に行ってみると、日曜日だからいやはや沢山の人、ひと、ヒトで溢れかえっていた。神田は中古市場の大マーケット。
様々な店舗があり、何故か興味を引く(ハリー・ポッタのダイナゴン横丁みたいな)寄道をしたくなる店が沢山あった。後ろ髪を引かれる思いで、一路目指す中古レコード店へと向かう。
ありました。加山雄三のレコードが、買ってくれと言わんばかりに存在感を表し。
しかし、この日は6店舗行ったが、既に昨日購入したレコードしなかった。
が、しかし、プライス金額が昨日の場所と明らかに、しかも安価に更にコンディションのよいものばかりが。
頭の中で「失敗した!先に神田に来るんだった!」と。
やっぱ「部屋に飾るジャケットは綺麗なのがいいよネ」などと独り言をいい訪問した店を再度渡り歩き、昨日買ったのと同じモノ、5枚のレコードを購入した。

店の店主に、僕は、加山雄三のレコードのコレクションをしているので、氏名と連絡先を明かし、手に入れたいレコードのリストを渡し入荷したら知らせてくれるようお願いした。(この店は神田近辺で7店舗営業拠点のある大型店)ここ店長さんは人のいい気さくないい人だった。

さて、購入したレコードを家に持ち帰るのに際して、考えた。また、烈火の如く女性陣から苦言を呈されるのはたまらないと。そうだ、ジャケットを部屋に飾るにはもう一つアイテムが足らない、昔20本以上所有していた(就職後暫くして殆ど友人や大学の後輩にやってしまった)エレキ・ギターも必要だよネ、と。
学生時代足繁く通った、谷口楽器に寄ってエレキ・ギターを買ってそのケースの中に忍ばせて持ち帰ろうと。悪魔の囁きのこの時に、更にお金のかかるエレキ・ギターの収集がスタートした。

谷口楽器でエレキ・ギターを購入(フェンダーのテレキャスターこれが、コレクションの記念すべき第1本目)して(後日、アンプも購入)レコードを店でケースに入れて家に持ち帰った。

今度は、流石に奥さんは怒るどころか呆れかえってしまったようだ。その結果2、3日、夫婦の会話は途切れたが。その後、仲直りした折、奥さんから「あなたは、加山雄三病」と病名を告げられ、この病気は死ぬまで治りませんよと宣告され二人で大笑いした。
その後、この病気でレコードを買い漁る事については何も口出ししなくなった。
怒る方がおかしいんだ。僕の自小遣いを遣り繰りしているのだから。

その翌週からインターネットで、中古レコードの調査をして都内を数店舗廻ったが、中々目的レコードが見つからなかった。
やはり、神田のその店とその系列しかないかーと決めた。

1ヶ月位経った或る日、僕の携帯に神田の店の店長から架かってきて、僕が探しているレコードの内、15枚が入荷したと連絡が入った。
会社を早退して、神田の中古レコード店へ向かった。
見た瞬間嬉しかった。状態は完璧。以前僕が持っていたと同じ位ようにジャケットが無傷だつたから。
即、購入。現金の持ち合わせがなかったため、近くのATMで引き下ろし支払いを済ませて帰ろうとしたら、「ちょっと見てみない」と店長からの言葉で、「荒木一郎」のレコードを見せてくれた。
「これも以前持っていたんですよ、ジャケットの状態はいい欲しいなァー」とまたもや悪い癖が。
しかし、今は、加山雄三の完全収集だけに限定しているので丁重にお断りをした。でもその数週間後には、購入したのだが。

この当時は、僕の運営する「素敵なミュージシャン」でレコード・ジャケットを表示するなんて事は考えもしなかった。

部屋に飾る際に、大きな額のプレートの台紙にジャケットがズレないよう、しっかり糊付けをしてしまった。再利用するなんて考えは全くなかった為、今回のジャケットのページをどうやろうか随分と考えた。

新たにレコードを購入しようか、糊付けしたジャケットを水につけて剥がそうかとか、はたまた少しずつスキャナーの上を台紙をずらせて取り込もうか。
新たに購入すれば痛い出費だし、水に浸せばジャケットはヨレヨレになり切れてしまうだろうし、台紙をずらそうにも巨大すぎてスキャナーのガラスの上に乗らないし。
そんなこんなで、開設するに際して(ホーム・ページのテーマは決めていた。加山雄三さんを中心とした「素敵なミュージシャ達」に)どうしょうか、悩みに悩みある事を思いついたのが、9月の終わりだった。
加山雄三に関するモノ(写真集や若大将の映画の本とか資料本など)があるので、そこから、画像を盗用しようと。
実際、本の中に掲載されている写真は殆どが小さく、拡大すると解像度の関係で画像が荒くなり、文字が判読出来なくなる。

苦労に苦労してやっとなんとか見るに耐えられるよう、画像処理する事が出来たので、10月に入り本「素敵なミュージシャン達」の製作に入った。

現在は、第2セット目の全作品の収集に励んでいて残り3枚となっている。 今度は、手元での保存です。 現在の加山雄三さんのシングル・ジャケット集は改めて、画像を差し替えようと思っている。



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